ツナ骸をもっと広めたい!な主張SS
「大好きだよ、」
そう呟いた貴方の声が、僕の心へすとんと堕ちた。
背中に貴方の視線を感じる。僕が驚きながら振り返れば、にっこりと微笑む貴方が居た。
「ねぇ、骸。大好きだよ」
二度目の告白を聞きながら、ああ、これは夢だ、そう僕は思った。
告白
「……なん、です?いきなり…」
「いきなりじゃないよ。ずっと遠回しに言ってきたさ。お前が気付かなかっただけ。」
そう言う彼の名は、沢田綱吉。齢23にして、すでに世界的に最強と謳われるボンゴレの10代目ボスだ。
彼とのつきあいは、かれこれ10年にもおよぶ。最初は敵として出逢ったものの、現在は彼に仕える守護者の一人だ。
「俺はずっと、お前のこと好きだったよ。それこそ初めて会ったときから」
彼は変わった。この10年間で、全くの別人とかした、と言ってもいいくらいだった。
最強のマフィアにふさわしい、若いながらも強く、威厳の持つ、頼れるボスだった。
そんな彼を、密かに想っていたのは事実。
「……好きだよ、」
彼は笑みを深めた。大好きだよ。愛してる。そう呟きながら、僕へ歩み寄る。
(近寄らないでください、)
僕は心の中で叫び、しかし、言葉にすることはなかった。
(御願いです、近寄らないでください。)
僕の気持ちが、筒抜けのように錯覚してしまう。
もちろん超直感の持ち主の彼だ。とっくに気付いているのかもしれない。だからこそ、告白したのかもしれない。
これは冗談だ。そう思った。
ボスが僕に?僕の気持ちをからかって居るんだ。
いつの間にか彼は、僕にかなり接近していた。
「ねぇ、骸、」
熱く甘い息が、僕の肌に触れる。
どくん。心臓が震えるのが感じる。
はき出された血が体中を巡り、どこかしびれた感覚を覚える。
「好きだよ。語彙の少ない俺には使い古されたこんな言葉しか言えないけど、」
彼の顔が目の前にあると脳が認識した瞬間、
「お前だけをずっと愛してる。」
唇に彼の熱を感じた。
END
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